アルゴトレードでの逆指値設定について

デイトレード

アルゴリズムトレード(アルゴトレード)は、設定した条件に基づいてコンピュータが自動的に売買を行う仕組みで、特に楽天証券の「マーケットスピード2」では、その精度や便利さが高く評価されています。しかし、便利さの裏には多くの課題も潜んでおり、その中でも「逆指値注文」を活用した取引の難しさは、アルゴトレードに挑戦するトレーダーにとって頭を悩ませるテーマです。本記事では、逆指値注文の仕組み、実際のトレードでの課題、そしてその克服方法について深掘りしていきます。


逆指値注文とは?

逆指値注文は、通常の指値注文とは異なり、「指定した価格を超えたとき」に売買を成立させる注文方法です。この手法は、特に株価が一定ラインを突破した後に勢いを利用してトレードを仕掛ける際に用いられます。

逆指値注文の流れ

  • 通常時のパターン: 指定価格を下回ることで買い注文を約定。その後、トレーリングストップを開始し、一定の利幅で利益確定を目指す流れ。
  • 逆指値のパターン: 指定価格を上回ることで買い注文を約定。その後、トレーリングストップを開始し、さらに株価が上昇することで利益を確定する流れ。

この方法は、株価が一定のレジスタンスラインを突破した際に、さらなる上昇を見込んだ取引戦略として有効です。しかしながら、この逆指値には多くの課題が存在します。


逆指値注文における課題

逆指値注文の特性を理解すると、以下のような問題点が浮かび上がります。

1. 押し目による損失リスク

ほとんどの銘柄は、価格が一時的に押し目をつける傾向があります。逆指値注文の場合、設定価格を超えた瞬間に買いが成立しますが、その直後に押し目が発生すると、トレーリングストップが作動し損失が確定するケースが頻発します。

例として:

  • 株価が1,000円の抵抗線を突破して1,005円で逆指値が成立。
  • その後、1,000円付近まで押し戻される。
  • トレーリングストップが反応し、損失でポジションが終了。

このような状況では、株価が再び上昇しても利益を得ることはできません。

2. 飛び抜けて上がる銘柄の希少性

逆指値注文が最も効果を発揮するのは、株価が大きく上昇する銘柄に出会った場合です。しかし、そのような銘柄に出会う確率は低く、多くのトレードが期待値マイナスで終わる可能性があります。

  • 飛び抜けて上がる銘柄が全体の数%程度である。
  • そのため、多くの逆指値トレードが押し目により損失を出す。

3. 明確なアルゴリズム設定が難しい

逆指値を有効に活用するには、価格の動きや押し目を正確に予測する高度なアルゴリズムが必要です。しかし、そのような設定を確立するのは簡単ではありません。多くのトレーダーが試行錯誤を重ねている段階です。


試行錯誤の結果と現在のスタンス

筆者自身も、楽天証券の「マーケットスピード2」を活用し、逆指値注文のアルゴリズム設定に挑戦してきましたが、現時点では明確な設定を確立できていません。そのため、逆指値注文を控え、他のトレード手法を中心に取引を行っています。

試した戦略の例

  • トレーリング幅の調整: 押し目に反応しすぎないようにトレーリング幅を広げる。ただし、これでは利益確定が遅れる場合が多い。
  • スクリーニング条件の強化: 飛び抜けて上がる可能性が高い銘柄を選別する条件を設定。しかし、銘柄選定の精度向上には限界がある。
  • 時間帯やマーケット状況を考慮: 押し目が少ないタイミングを見極めて注文する。

これらを試した結果、一定の改善は見られるものの、依然として期待値がプラスに転じるまでには至っていません。


逆指値注文を克服するためのアプローチ

逆指値注文の課題を克服するには、いくつかの方法があります。

1. 高度な分析ツールの活用

AIや機械学習を活用して、過去のチャートパターンや出来高の動きを分析し、押し目を予測するモデルを構築します。これにより、逆指値成立後の押し目発生リスクを軽減できます。

2. 独自のスクリーニング条件を設定

逆指値で成功する可能性が高い銘柄を見つけるために、スクリーニング条件を強化します。例えば:

  • 出来高急増率が一定以上の銘柄。
  • 過去のパターンで押し目が少ない銘柄。

3. 注文条件の細分化

逆指値を利用する場合でも、注文条件を細かく設定することで、リスクを軽減します。具体例として:

  • 逆指値成立後、トレーリング幅を初期設定より広げる。
  • 一定の出来高やRSI(相対力指数)を確認後に注文を成立させる。

4. 分割注文を活用

逆指値注文を一度にすべて約定させるのではなく、分割注文を活用することでリスクを分散します。これにより、押し目が発生した場合でも一部ポジションを保持できます。


まとめ:逆指値注文は慎重に扱うべき

逆指値注文は、アルゴトレードにおいて有効な手法の一つではありますが、課題も多く、特に押し目による損失リスクや期待値の低さに注意が必要です。現時点では明確なアルゴリズム設定を確立できていないため、慎重に取り扱うべき手法と言えます。

今後の展望

  • より高度な分析ツールの導入。
  • 押し目を予測するアルゴリズムの研究。
  • 少額取引を繰り返し、データを蓄積して戦略を最適化。

トレーダーにとって重要なのは、自分の得意分野を見極め、効果的な手法を確立することです。逆指値注文もその一環として、慎重に取り組むべき課題であると言えるでしょう。


🚨【ご注意】
本情報は売買を推奨するものではありません。あくまで参考情報としてご活用ください。投資は自己判断でお願いいたします。

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